
感動体験を創出
DX二部DXグループ
エンジニアリングリーダー
矢倉 和雄
- スポーツ·エンタメ
- データ分析
- マーケティング戦略立案
- 自分の仕事は自ら創る
データとマーケティングの力で顧客体験価値を向上させる
DX本部で担っている役割を教えてください。
グループ会社の東京ドームに出向し、マーケティング統括主任として、東京ドームシティにおけるデータ活用およびマーケティング戦略・施策の推進を担当しています。「顧客理解の深化」と「顧客体験価値の向上」をテーマに掲げ、多様なデータを駆使してお客様のニーズを深く理解し、来場者の体験価値向上を目指しています。
データをもとにマーケティング施策を展開しているのですね。具体的にどのようなデータを取り扱っているのですか?
東京ドームグループのTDポイント会員の売上データや、来場者がどこから来たのか把握する人流データ、顧客の声を直接集めるアンケートデータなどを分析しています。東京ドームシティでは、野球の試合やコンサートなど様々なイベントが開催されているため、日によって客層が大きく変わります。データ分析の結果を活かして、新商品の企画や、クーポンの発行など、具体的な施策に落とし込んでいます。
多角的なデータから来場者の傾向を読み解くことが重要なのですね。マーケティング施策の事例はありますか?
東京ドームシティ内にある温浴施設・スパ ラクーアは、データ分析によって長時間滞在して様々なサービスを利用したお客様の方がリピーターにつながりやすいことや、初めてのお客様は岩盤浴の利用率が高いことも分かりました。、これらの分析結果を活かした、お客様への案内や、利用促進の施策などを実施しました。

顧客目線で考え抜いた生成AIプロジェクト
特に印象に残っているプロジェクトはありますか?
生成AIを活用し、東京ドームシティ内のキッズ施設・ASOBono!(アソボーノ)に来場した親子向けに、世界にひとつだけの思い出新聞「AI東京ドームシティ新聞」を提供したプロジェクトが印象的です。このプロジェクトでは生成AIを単なる技術としてではなく、顧客満足度を高める手段として最大限に活用できたと思います。
「AI東京ドームシティ新聞」はどのようなサービスなのでしょうか。
記者である生成AIに対し、チャット形式で会話し、写真を送ると、数分でその日の楽しい思い出が新聞になるというものです。どのようなアウトプットならお客様に喜んでいただけるか、プロジェクトメンバーと何度も議論して形にしていきました。子育て中のメンバーのアイデアも積極的に取り入れ、間違い探しなど子どもが楽しめるコンテンツも盛り込みました。
親子にとって最高の思い出になる企画ですね!このプロジェクトを通じて学んだことはありますか?
技術を手段として活用し、お客様に何を提供すれば喜んでいただけるかを徹底して考え抜いたことで、顧客理解を深められましたね。また、一部は仮説と異なっていた部分もあったので、次のプロジェクトに活かせる知見が得られたと思います。

リアル空間の変化に寄与できる喜び
前職ではどのような仕事をしていたのでしょうか?また、転職のきっかけについてもお聞かせください。
マーケティングリサーチ会社で、メーカーや広告代理店向けにデータ分析や新規事業開発を行い、企業の意思決定を支援していました。仕事のやりがいはありましたが、事業側の立場としてビジネスに密接に関わり、データ活用スキルを活かして事業の成長に直接的に寄与したいという思いが強くなり、転職を決意しましたね。
転職先として三井不動産を選んだ決め手は何だったのでしょうか?
「デジタル空間」ではなく「リアル空間」でのビジネスに携わることで、自分の関与によって目に見える成果が生まれるのではないかと期待できたからです。転職当時、データ分析職を募集している事業会社はそれほど多くなく、当社は業界に先駆けた取り組みをしているという印象でした。また、多岐に渡る事業を展開しているので、幅広い経験を積みながら様々な挑戦ができる環境にも魅力を感じました。
現在、まさに「リアル空間」の変化に寄与する仕事に携わっていますね。では、三井不動産に入社して感じたことを教えてください。
挑戦を重んじる風土だと強く感じました。会社や組織のビジョンに沿っている限り、新しい提案やアイデアにも積極的に耳を傾けてもらえる環境はありがたいです。また、どれだけ大きなプロジェクトでも最後までやり切る力強さを持った社員ばかりで、刺激を受けていますね。

お客様の感動体験を引き出して街の魅力を高めたい
働く上で大切にしている価値観はありますか?
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉を大切にしています。自分の仕事は自ら創るという姿勢で、会社から求められること、自分がやるべきこと、やりたいことが一致するよう意識して行動していますね。初めは手探りで進めたとしても、新しい発見があり、その発見が自分の成長を促し、成長した自分がさらに新たな価値を創出する機会を生むといった好循環を実感しています。
自ら成長のサイクルを生み出しているのですね。最後に、今後の目標をお聞かせください。
新たなアセットクラスとして注力している「スポーツ・エンターテインメントを活かした街づくり」において、データ活用とマーケティングの力で付加価値をさらに高めることに挑戦したいです。データを活用してお客様の感動体験を引き出すサービスを提供し、街全体の魅力を向上させるのが目標ですね。また、将来はDXを駆使して売上規模の大きいビジネスを立ち上げ、企業価値に貢献できればと考えています。お客様のニーズや先端技術をキャッチアップしながら、ビジネスチャンスを作っていきたいです。